鹿児島西ロータリークラブ   KWC
KWCKWCKWCKWCKWCKWCKWCKWC
鹿児島西ロータリークラブ

鹿児島の歩き方


趣味の
「ロータリー倶楽部」


事務局


鹿児島市金生町3番1号
山形屋内
TEL(099-223-5902)
FAX(099-223-7507)

かごしま歴史街道

“金持ちの県”鹿児島 〜鹿児島の金採掘の歴史〜


 世界各地で金が採掘されるようになったのは紀元前といわれていますが、日本での産金は747年に下野国(現在の栃木県)、次いで749年に陸奥国(現在の宮城県馬頭町)であると、『東大寺要録』や『馬頭町史』に記録されています。
 ここ鹿児島県は、1640年(寛永17)に山ケ野金山の金鉱が発見されて以来、北薩をはじめ各地で金鉱探しが進みました。『日本金山史』によると、全国の金山の数は、北海道62、岩手県に37、鹿児島県に34とあり、薩摩半島南部や大隅半島、屋久島など広範囲に分布していた記録が残されています。これは、薩摩・大隅・屋久島に分布している中新世花崗岩の縁辺部や周辺部に、金銀を含む石英があり、薩摩地方では中新世後期から鮮新世までの安山岩質火山噴出物が分布している地域に、金銀を含む鉱脈や塊状珪化岩があるためです。
 中新世後半の南薩層郡中に散在している珪化岩は南薩型金鉱床と呼ばれ、春日鉱床・岩戸鉱床・明石鉱床がそれにあたり、薩摩地方の西側では約400万年前に、東側では約100万年前にこれらの金銀鉱床ができたようです。
 さて、産金の始まりは川内川での砂金採取で、宮之城領主の島津久通が自ら川を遡り、1640年(寛永17)に金鉱脈を発見したことが『山ケ野金山鉱業史』に記されています。島津藩は幕府に金を献上し移行の免許を受けた1640年から1642年まで2万人を集めて金採掘を行っていたものの、幕府が警戒し閉鎖させられています。その後、1656年(明暦2)に再開の許可を受け、それからの10年間は産金量が佐渡金山をしのぐほどの全盛期であったようです。
 鹿児島県で金山として最も有名な所と言えば『串木野金山』ですが、串木野地域には潜在する四万十層群を覆って、中新世後期の北薩古期安山岩類が分布しており、鉱床は主に安山岩中の鉱脈群で芹ヶ野鉱床・串木野鉱床・荒川鉱床・羽島鉱床などに分けられています。主要鉱脈は串木野1号鉱脈で、日本最大鉱脈の一つです。
 平成元年度までの出鉱量は約823万トンで、約54.7トンの金と、約496.7トンの銀を産しています。1994年(平成6)に採掘を休止するまでの串木野金山の産金量は55.7トンで、菱刈・佐渡(新潟)・鴻之舞(北海道)に次いで、日本第4位となっています。また、鹿児島県北部の金鉱床としては大変珍しい金の約9倍の銀を含む銀黒質鉱石を産し、精錬産銀量は金の約8倍であったそうです。
 

★植物から金鉱床を発見する
 金属鉱床の探査の際には「ヘビノネゴザ」というシダ植物や、「マンサク」「コナラ」「ヤブムラサキ」「イヌビワ」「ナナカマド」などが古くから金属鉱脈探査のヒントにされてきたそうです。ヘビノネゴザは別名「カナクサ」「カナキグサ」とも呼ばれ、鉱山の近くにはこのシダ植物が多く自生していることが報告されています。
 これら山中に自生している植物は、採取洗浄後テント内にて乾燥させ粉末にしたものを用いて、超微量の金属が測定できる「放射化分析法」によって、金の含有量を調べる微量元素の分析を行います。    
 この方法によって1兆分の1という超微量の金属を測定でき、全国各地の鉱脈候補地において採取した分析試料が次々に収集され、金鉱脈探査の指標の重要な役割を成しています。
 

★鹿児島県内で採掘された様々な鉱物資源


  •  錫の産出は17世紀に始まっており、鹿児島市の錫山鉱山は約4,000トンの錫を産出後、1987年に閉山しています。この産出量は錫を主とする鉱山としては日本一の量だそうです。
  • タングステン
     屋久島と高隈山の花崗岩類に伴って、その岩石や四万十層群のホルンフェルス化した岩石中に、タングステンを含む石英脈があります。
     タングステンとはスウェーデン語で「重い石」を意味する金属で、液晶プロジェクターや各種OA機器の部品や工具のほか、原子力発電所の定期点検等に用いられる放射線遮蔽材や、楽器部品などにも使われています。

  •  阿久根市・国分市・吹上町・奄美大島などの各地に層状含銅硫化鉄鉱床が分布しており、四万十層群中の異地性の石灰岩とそれを貫く石英斑岩の接触部には、スカルン物質を伴う接触交代鉱床があり、銅鉱が採掘されたことがあります。
     スカルンとはマグマが石灰石に接触し、マグマの成分(珪素・鉄・アルミニウムなど)が石灰岩の成分と反応してできた、カルシウムや珪素などを主成分とする鉱物の集合体のことです。
  • 鉛・亜鉛
     錫山鉱床西部・出水付近など、花崗岩質岩石周辺部の四万十層郡中の石英脈に、方鉛鉱や閃亜鉛鉱を産しました。
  • マンガン
     奄美地方やその周辺部の四万十層郡中の塩基性火山岩に伴って、層状あるいはレンズ状のマンガン鉱床が分布しており、大和鉱山(宇検村)で稼業されました。

他に・・・・・・

  • 硫化鉄鉱 (阿久根・国分・吹上・奄美・徳之島)
  • 鉄 (栗野・吉松・薩摩半島、大隅半島、薩南諸島の沿岸部)
  • アンチモニー (沖永良部・薩摩半島・高隈山)
  • ビスマス (屋久島・薩摩半島中部・高隈山)
  • テルル (串木野、北薩)
  • セレン (串木野・菱刈)
  • モリブデン (高隈山・内之浦)
  • チタン及びバナジン (種子島・川辺)
  • 水銀 (山ヶ野・大口)
  • 硫黄 (牧園町・霧島山・硫黄島)
  • 珪藻土 (薩摩地方中部から北部・吉田・樋脇・蒲生・入来・祁答院・薩摩町)
  • 石灰石 (阿久根市・川内市・笠沙町・吉田・奄美大島以南)
  • グラファイト (甑島・内之浦・笠沙)
  • 燐 (久多島・草垣島・鬼界島・沖永良部・上の根島・与論島)
  • けい石 (阿久根市・川内市・奄美大島・高隈山・佐多町・屋久島・硫黄島)
  • 黒曜石 (大口市・市来・樋脇・鹿児島市)
  • ゼオライト (郡山)
  • 天然ガス (国分・菱刈)
  • 亜炭 (薩摩地方中部)



かごしま歴史街道・ドアページ

/ 鹿児島西ロータリークラブ / ロータリーの歴史 / ロータリークラブ関連 / リンク /
/ 鹿児島の歩き方 / 趣味の「ロータリー倶楽部」/
/ トピックス / バックナンバー / WEB卓話 /
/ サイトマップ / このサイトの利用について / お問い合わせ /

All Rights Reserved, the Rotary Club of Kagoshima West